「何かを判断するためには、その可能性を知ることが大事である。」これが、リスクコミュニケーションを実施する考え方の前提です。このために、リスクコミュニケーションは、リスク共生社会を実現するために必須の手法となります。
リスクコミュニケーションの完成形の姿は、見え始めてきました。しかし、リスクコミュン二ケーションゼミやシンポジウムでの議論を通じてリスクコミュニケーションに求めることが多様であることもわかりました。
リスクコミュニケーションのステークホルダのリスクコミュニケーションに求めるものや必要な知識や関与意欲は様々であり、理想的なリスクコミュニケーションに一挙にたどり着けるわけではないということも明らかです。
リスクコミュニケーションによって、社会の意思決定を行なえるようになるためには、それぞれの課題を一つ一つ検討していく必要があります。
その課題としては、コミュニケーションに至るまでの対象とするリスクの取り扱い方、リスク情報の伝え方、議論の方法や、議論結果の活用等様々なものがあります。
NPO活動としては、望ましいリスクコミュニケーションの実現を目指すと共に、前述した一つ一つの方法論の開発を行なっていきます。そして、その開発した手法をリスクコミュニケーションガイドとしてとりまとめ、会員に提供して行きます。
2022年5月25日
NPO法人リスク共生社会推進センター理事長
野口 和彦